「心理カウンセラーになるには、心理学部を出ればいい?(前編)」では、主に臨床心理士や精神福祉士についてご説明いたしました。後編では、 心理カウンセラーになるには どのような資格が必要であるのかご説明いたします。
心理カウンセラーになるには、心理学部を出ればいい?(後編)
認定心理士と地方公務員の心理判定員
認定心理士は日本心理学会が認定している資格をいい、心理学一般の基礎となる知識、技能を能力として保有していることをあらわします。大学において心理学を学んだ証明となり、また大学の心理学部以外で心理学を収めた証にもなります。
大学、大学院の心理学など特定科目を履修することで得られますが、この資格だけで心理カウンセラーとして働くには無理があり、心理カウンセラーになるにはさらに、専門的な研究などが欠かせません。
心理判定員は児童相談所、重症心身障害児施設などに配属されている、地方公務員です。大学で心理学系を履修し、地方公務員試験に合格し、心理関係の仕事を望み配属先が児童相談所などの場合に、心理カウンセラーとして仕事ができます。
教育カウンセラーと学校心理士
教育カウンセラーは日本教育カウンセラー協会が認定している資格になり、教育現場におけるカウンセリング技法などを使って学級経営、授業、三者面談、進路相談などができる専門家で、資格には初級、中級、上級があります。
学校心理士は学校心理士認定運営機構の民間資格になり、準スクールカウンセラーとして仕事ができ、学校現場で子供たちの心の問題に取り組みます。心理学部系の大学、大学院で関係科目の単位取得し卒業後は実務5年以上の実績が必要です。
資格取得の方法は申請し審査をとおれば取得できます。但し実務経験などの条件が付いています。
公認心理師が2018年1~3月に誕生する
ようやく国家資格の心理カウンセラーの資格が誕生し、第1回の試験には今まで臨床心理士として活躍されてきた方や臨床心理士指定大学院に通っている方が受験されるのではないかと思われます。これからは心理カウンセラーになるには、公認心理師の資格を取らなければならなくなります。
大学のカリキュラムも変更になり、心理学関連単位(公認心理師学部カリキュラム)を取得する必要が生まれ、加えて大学院では公認心理師大学院カリキュラムの単位を修めなければならなくなります。
従来の臨床心理士やいろいろの現場で必要とされているカウンセラーがなくなるわけではありませんが、一様に公認心理師資格試験を受けることになるでしょう。
また、「心理師」という文字を公認心理師以外は使用できないと規定されているので、「カウンセラー」が乱立気味の今までのような状態にはならないと思われます。
しかし公認心理師資格試験には問題点も多くあり、受験資格が大卒もしくは大学院卒になる点や資格保持後の5年ごとの更新が行われない点など混乱が予想されますが5年後に検討されますからその時にどうなるのか様子見状態はしばらく続くでしょう。
また、社会人が公認心理師試験を受験する場合は大学で公認心理師カリキュラムを修了する必要が生まれ、加えて大学院に定められた公認心理師大学院カリキュラムを修める必要があります。
まとめ
心理カウンセラーになるには、心理学部を出ればいい?(後編)
認定心理士と地方公務員の心理判定員
教育カウンセラーと学校心理士
公認心理師が2018年1~3月に誕生する