心理カウンセラーという資格はなく医療、産業、教育、福祉などの現場で用途に応じて個別の民間資格を持った方が心理カウンセラーと同様な仕事をこなしているのが現状です。 心理カウンセラーになるには 大学と大学院で心理学部系の勉強し、資格試験に合格するだけではなかったのです。
心理カウンセラーになるには、心理学部を出ればいい?(前編)
4つの心理学と臨床心理士
心理学には認知(知覚)心理学系、発達(教育)心理学系、社会心理学系、臨床心理学系の4つの分野があります。
認知(知覚)心理学系は人間の知覚、心理、行動科学において実験などをとおして研究するもので、発達(教育)心理学系は児童心理学ともいい対象が子供です。
社会心理学系は集団や一般社会において人間の行動、特性、現象を分析研究し、臨床心理学系は臨床心理士を目指して大学で勉強し、大学院での研究も臨床心理士になるためのものがほとんどです。
財団法人日本臨床心理士資格認定協会が指定している臨床心理士第一種指定大学院のある大学は、明治大学、日本女子大学、昭和女子大学、立正大学、立教大学、佛教大学などがあります。そのほか4つの分野すべてを勉強できる大学としては以下に記します。
京都大学総合人間学部、筑波大学人間学部、北海道大学文学部心理学科、同志社大学心理学部、立教大学現代心理学部、上智大学心理学部、青山学院心理学部、明治学院心理学部、関西学院大学文学部総合心理学、日本女子大学人間社会学部、中京大学心理学部、神戸女学院大学人間科学部など。
心理カウンセラーの臨床心理士
臨床心理士は文部科学省認定、財団法人日本臨床心理士資格認定協会が認定しており、臨床心理士の資格取得後も5年ごとに更新が必要です。
臨床心理士になるには心理学部系の学部のある大学で心理学系を勉強してさらに大学院(2年以上)で研究し卒業し、ここでようやく受験資格が生まれて、試験を受けることができるようになります。つまり高校卒業から臨床心理士資格試験まで最短で7年を要します。
民間資格ですが公立学校のスクールカウンセラーになるには必要で、医療機関、行政機関などでも心理カウンセラーとして活躍できます。心理カウンセラーになるには臨床心理士の資格を取るのが今まではベストです。一般に広く認知されていて難易度が高く、大学院修了者が受験して合格率が平均60%ぐらいなので難関といえます。
精神保健福祉士は国家資格と「うつ」を救う産業カウンセラー
精神保健福祉士は国家資格のPSWと呼ばれる資格で、精神障害のある方に心理面に気を配りながら給付制度、税の減免措置、退院後の住居、仕事など社会復帰に力をつくします。カウンセラーよりもソーシャルワーカーとしての仕事が多く、精神に障害のある方の支えとなります。
心理カウンセラーが精神的な障害を持つ方の心の闇に手を差し延べ、精神保健福祉士が日常生活を円滑に送るための手助けをして仕事が進みます。
また、心理カウンセラーがこの資格を持っていれば、現場での調整などに手間取ることもないので、心理カウンセラーになるには有利だといえます。
精神保健福祉士になるには、福祉系大学に入学し規定科目を履修するかまたは、福祉系短大で指定科目を履修後1~2年の実務経験ののち資格試験を受験することができます。
産業カウンセラーは産業カウンセラー協会認定の資格になり、一般企業に勤める労働者の心のケアをします。職場の人間関係が生み出す「うつ」などに立ち向かい、労働者の精神的な支えとなります。
心理カウンセラーになるにはまず、産業カウンセラーとなり、大学で心理学系の勉強に加え協会が指定する科目10科目20単位以上取得していれば受験資格がもらえます。産業カウンセラー、シニアカウンセラー、キャリアコンサルタントと順次ステップアップしていきます。
まとめ
心理カウンセラーになるには、心理学部を出ればいい?(前編)
4つの心理学と臨床心理士
心理カウンセラーの臨床心理士
精神保健福祉士は国家資格と「うつ」を救う産業カウンセラー