奨学金 という制度は、進学したくても経済的に余裕がない学生を対象に低金利で資金を貸与、または給付して修学を促す制度のことです。借りる 理由 は人それぞれですが奨学金制度というのは子どもの教育、その後の人生に関わる重要なことです。
奨学金に関することや借りる理由
奨学金について
奨学金にはいくつかの種類があります。
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金
日本学生支援機構が運営する奨学金です。対象となる学校は、専修学校、短大、大学、大学院と幅広いです。大学生の2.6人に1人は利用している最もポピュラーな奨学金です。無利子の第一種奨学金と有利子の第二種奨学金があります。
大学の奨学金
各大学が独自に運営する奨学金です。大学での学業成績が主な選考基準となっています。学校によっては論文提出や面接のあるところもあります。入学してから申し込むことができます。
民間の奨学金
公益財団法人やNPOが運営する奨学金です。指定校制となっており大学生や大学院生が対象です。専門職や研究職を目指す学生が利用する場合が多く、給付型の奨学金です。
自治体の奨学金
都道府県や、市町村が運営する奨学金です。小、中学校から利用できるものも多いです。
大学生の利用が多い日本学生支援機構の奨学金について
奨学金には2種類あります。
第一種奨学金
無利子ですが審査には厳しい条件があります。高校での学業成績が優秀なうえ、家計の年収に制限があります。
第二種奨学金
第一種奨学金に比べると選考基準は低いですが有利子です。高校での学業成績が水準以上で家計の年収が3人家族で1,080万円以下なら申し込めます。
第一種奨学金、第二種奨学金ともに申し込み方法が3パターンあります。高校3年の時に申し込む予約採用と、大学に入学してから申し込む在学採用です。
もう1つは在学時、家族の病気や災害などによる急な家計悪化の場合の申し込みで緊急、応急採用というものです。この中で一番多いのは予約採用です。
給付型奨学金とは
貸与型に対して返済する必要のないのが給付型奨学金です。人気が高く申込みに厳しい条件があります。地方自治体や民間団体が運営するものに多く、成績や能力にかなり自信のある人向けで倍率も高いです。
新聞奨学生制度
新聞社が学費の全額または一部を肩代わりし、代わりに学生が新聞配達や集金を行うという制度です。ただ午後の授業に出れないなどの負担があります。
奨学金を借りる理由とは
人によって奨学金を借りる理由はさまざまです。一番多いのは家庭の状況を理由に借りるケースです。
家族の勤める会社の経営状態の悪化によって収入が減少し、子どもの学費が払えない場合や、子どもが親元を離れて一人暮らしをするのに仕送りが少ない、仕送りができないなどです。
その他、兄弟が多くて生活費がかかる場合や、一人暮らしをしていてアルバイトをしようと思っても学業が忙しく時間的に余裕がない、などと言った事例です。
困難になる奨学金の返済
現代において奨学金関連で問題になっているのが、奨学金の返済が困難になって返せなくなるケースです。裁判所から督促を求められるということも少なくありません。
今の時代、卒業後に正規に就職するのが難しくなってきています。アルバイトや派遣社員で生計を立てる人も多いのが現状です。そのために収入が少なく奨学金返済にまで手が回らないのです。この状態で15年から20年に渡り返済することには無理が生じます。
また延滞者の半数以上が返済義務があるのを知らずに申し込んでいます。保護者が申請をする場合が多く本人が理解できてないという状態です。
延滞すると滞納金の賦課、督促、個人信用情報機関への情報提供が行われ住宅ローンやクレジットカードの審査に通らなくなるかもしれない場合があります。
学歴社会といわれる今、大学に進学する子どもが多くなり奨学金制度というのは、ありがたい存在です。しかし奨学金返済が困難にならないよう借りる時にしっかりと把握しておく必要があります。
返済していくために先をよく見据える必要があります。貸与総額や返還方法は申し込む前にわかります。返済以外にも生活費などがかかることを頭におき念入りにシュミレーションしておくことが大事です。
奨学金の今後
奨学金の滞納が問題とされているなか返還不要の給付型奨学金制度の創設を望む声が広がっています。
日本は国際社会のなか奨学金制度においては先進各国と比べて遅れをとっています。全ての人の学習権の向上において奨学金制度のさらなる充実、拡大が日本の発展を考えるうえで重要なことなのです。
まとめ
奨学金に関することや借りる理由
奨学金について
大学生の利用が多い日本学生支援機構の奨学金について
給付型奨学金とは
新聞奨学生制度
奨学金を借りる理由とは
困難になる奨学金の返済
奨学金の今後