国立大学 医学部 の6年間の 学費 は、入学金、授業料で約350万円になります。参考書等の購入、研修費、部活動費等、家賃、生活費等は別会計になります。
国・公立大学医学部の学生には、医師養成費用として約5,000万円/人の税金が国から支出されています。医学部学生の5割以上が、国・公立大学に進学しています。
卒業までにかかる国立大学医学部の学費は?
臨床研修制度
インターン制度から昭和40年代に臨床研修制度がはじまり、平成16年には新医師臨床研修制度に名称がかわりました。
従来、ほとんどの研修医は大学病院や臨床研修病院でストレート方式の研修を実施し、スーパーローテイト方式の研修は少なかったといわれています。
専門診療科だけの研修であったり、地域医療に関する研修がなかったようです。
その後、臨床研修の必修化が行われ、医師の人格育成、プライマリ・ケアの臨床能力の修得、研修に専念できる環境整備などを行い、臨床研修制度の構築を図っています。
今回は、国立大学医学部の学費についてお話します。
国立大学医学部の学費は、入学金、授業料で約350万円/6年間になります。
家賃・生活費、研修費・部活動費などの諸経費は別会計です。国・公立大学医学部の学生には約5,000万円/人の国税が使われて、5割以上の学生が国・公立大学に進学している現状で、社会的にも期待が寄せられています。
私立大学医学部の学費は2,000~5,000万円/6年間であることを勘案すると、国・公立大学医学部の学費は格安です。親の年収や成績優秀などで、授業料の免除を受けることができる学生はさらに安くなります。
1人暮らしの場合、学費を除く家賃・通信・光熱費・食費・教科書代などの生活費は約800万円/6年間となり、総計1,000万円/6年間を超えることになります。
国・公立大学医学部は私立大学医学部に比べ安い学費ですが、偏差値・倍率は高い現状にあります。
医師養成
日本、韓国などは医学部卒業後、医師国家試験に合格すれば医師免許が交付されますが、イギリスは卒業後、国から交付され、アメリカはUSMLEまたはCOMLEXに合格後、州ごとに免許が交付されます。医師養成の臨床研修制度の位置づけは国によって異なります。
日本は2年の初期臨床研修が必修化されています。アメリカはインターンシップ(1年)、レジデンシー(3~6年)、フェローシップ(3~10年)の3段階の臨床研修があります。
レジデンシー後の認定試験に合格すると、総合内科医、一般外科医などの称号を得て医師活動が可能になります。
フェローシップ後の専門科認定試験に合格すると、専門医の称号を得て高度医療行為が可能になります。
イギリスでは2年間のファウンデーションプログラムがあります。家庭医と病院医にわかれ、各々専門研修があります。
研修終了後に総合・専門認定医の試験があり、合格すると医師活動が可能になります。
海外医学部
日本の国・公立大学医学部の偏差値・倍率は非常に高く、狭き門で入学が難しいのが現状です。首都圏にかかわらず地方の医学部においても、地域密着型の医学部が増えてきています。
したがって、かならずしも全国どこの医学部でも、簡単に受験できる状態ではないようです。医学教育は急速にグローバル化が進んでいます。
安い学費で、レベルの高い医学教育を受けることができる大学は、魅力があります。西日本や首都圏などの医者を目指す学生で、東欧の大学医学部も選択肢にあがっているようです。
海外で医師免許を取得した場合でも、日本の病院勤務は可能です。
研修制度と地域医療
2年間の新臨床研修では、プライマリ・ケアを中心とした総合診療方式を採用しています。研修の義務化により、給与の支給とアルバイトが禁止されています。
また、研修先が選択できるマッチング制度が採用されています。この結果、研修医は都市部へ集中し、地方では医師不足になっています。
アルバイト禁止で当直医の確保が難しくなっており、さらに大学病院は派遣医師の引き上げを行っています。
地方の過疎地では医療体制を整えるのが困難になってきているのが現状です。
このことに対処するため、地域医療に影響を与えている大学病院診療科に限っては、臨床研修科目を減らしたり研修期間の短縮など、医師不足に対処するプログラムが実施できるようになっています。
まとめ
卒業までにかかる国立大学医学部の学費は?
臨床研修制度
医師養成
海外医学部
研修制度と地域医療