偏差値は、学校選びの重要な指針です。しかし、偏差値がどのように算出されているかはあまり知られていません。
そこで、 偏差値の出し方 を知り、偏差値に惑わされて学習意欲を失うのではなく、第一志望合格をより確実にする活用法を考えてみます。
偏差値の出し方を知って第一志望合格を自分のものに
偏差値を出す数式
学校の定期テストも偏差値に換算することができます。
その数式は「50+(自分の得点-平均点)÷2」です。簡易的に自分の偏差値を知る便利な数式です。実際に計算して、自分の得点を偏差値に換算してみてください。偏差値の感覚が身についてきます。
受験生の偏差値の出し方
塾・予備校が実施する模擬試験の結果は、偏差値になって返却されます。
塾・予備校は、答案の採点が終了すると、まず受験生個々の偏差値を算出します。その数式は、前述のような簡易的なものではなく、正式な数式を使います。
数式は異なっても、試験の平均点が偏差値50になることは共通ですから、偏差値50以上だと平均点クリア、60以上だとかなり優秀、70以上だと受験者の上位5%以内は確実と思ってよいでしょう。
学校の偏差値の出し方
受験生個々の偏差値の算出が終わると、学校個々の偏差値の算出に取り掛かります。
学校偏差値の算出では、受験生が模擬試験で書いた「志望校」が重要な意味を持ちます。学校の偏差値は、その学校を志望校として書いた受験生の偏差値によって決まるのです。
例えば、A校の偏差値とは、A校を志望校として書いた受験生の偏差値の平均ということなのです。もちろん、A校志願者の偏差値を単純に平均にするわけではありません。偏差値に加え、志望順位などの要素が反映される複雑な数式で算出されます。
これは、受験学年以外(中学1~2年生、高校1~2年生)の模試で多く行われる出し方です。
合否判定による学校の偏差値の出し方
例えば定員100人のX校に、500人志望者がいるとします。この場合、500人中の上位100人がA判定になります。ただし、上位100人中、第一志望が60人だとすると、残りの40人はこの学校を受験しない可能性があります。
そこで、上位101人から140人をB判定とします。ただし、この40人の中で第一志望が、という作業を繰り返して、判定が決まります。
多くの塾や予備校では、B判定の偏差値を、その学校の偏差値として提示しています。この方法は、受験学年(中3、高3)の模試で多く行われる出し方です。
偏差値をどう理解すればよいか
「偏差値が60の学校」とは、「その学校を志望する偏差値60以上の受験生が、その学校の定員くらいいる」ということです。つまり、学校の偏差値とは、「受験生の人気投票」でもあるのです。
そのためか時々、「学校の偏差値」と「学校の中身」とが一致しないことが話題になります。入学時の偏差値は高いが卒業時の進路実績が今一つという学校、入学時の偏差値に対して卒業時の進路実績が極めて高いという学校の存在です。
重要なのは、偏差値とは「第一志望校合格への目標数値」であって、「学校の価値」や「学校の序列」を意味するものではないということです。学校選択で一番大切なのは、いろいろな学校を見て、「ここで学びたい」という気持ちから志望校を決めることです。
そして、志望校の偏差値を目標に日々の学習を積み重ねることです。偏差値とは本来、日々の学習の目標数値であって、学校を序列化した数値ではないのです。
偏差値に惑わされない学校選びを
入学後、不登校や学業不振に苦しむ生徒から、入学前のイメージと実際の学校生活が全く違う、裏切られた、だまされたという訴えを聞くことがあります。
こうした訴えは、偏差値が高い学校ほど多いです。学校選びは偏差値だけでなく、偏差値以外の要素も含めて、よく考えることが大切です。
とはいえ、偏差値を高める努力は継続しましょう。なぜなら、自分の偏差値が高ければ高いほど、受験できる学校が増えるからです。多くの選択肢の中から自分にあった学校を選ぶことが、学校選びの理想です。
そして、第一志望に合格できるように勉強を頑張ろうという意欲を引き出すことが、偏差値の目的なのです。
まとめ
偏差値の出し方を知って第一志望合格を自分のものに
偏差値を出す数式
志望校
A判定、B判定
偏差値に惑わされない学校選び