千葉大学の医学部、薬学部、看護学部は国立大学では唯一同じキャンパス内にあり、その利点を生かし、3学部共通の必修科目として「亥鼻IPE」を取り入れています。
それぞれの専門職の 偏差値 と垣根を超えて、連携を目指す 千葉大学 の取り組み、魅力をご紹介します。
偏差値と専門職の垣根を超えて千葉大学「亥鼻IPE」の魅力
千葉大学の歴史
千葉大学は、昭和24年に千葉医科大学、同附属医学専門部、同附属薬学専門部とその他4つの学校を統合して5学部で発足し、現在は学部を10学部、国際教養学部、文学部、教育学部、法政経学部、理学部、医学部、薬学部、看護学部、工学部、園芸学部と増やしそれぞれの専門分野で「つねに、より高きものを目指して」を理念とする質の高い教育を行っている国立大学です。
医療分野での高い専門性を誇る医学部、薬学部、看護学部
長い歴史と伝統を持つ千葉大学の中でも特に、医療分野3学部は同じキャンパス内でそれぞれ同規模の学生を持ち、学術的にも独立した専門的なカリキュラムで専門職を育成しています。
偏差値70の医学部では「次世代を担う有能な医療人・研究者」の育成を目指しています。
医学とは人類の健康と福祉という生命の根幹を助ける学問であり、病気の克服、予防は人類の命題でもあります。その解明に向けた努力と挑戦を惜しまない有能な医療人、研究者の育成を行っています。
偏差値61の薬学部では「最新の知識、技術はもちろん高いコミュニケーション能力を有する医療人」の育成を目指しています。
これは薬剤師が医療現場でチーム医療の一員として活躍する上で、漢方医療や代替医療に対する深い知識、またリスクマネジメント能力、コミュニケーション能力が医療チーム内だけでなく、患者との信頼関係にも重要と考えるからです。
偏差値52の看護学部は国立大学で唯一の看護学部であり、その伝統と歴史を基盤にしつつも先進的な看護学教育を通じ、「看護のリーダー」となるべき医療人の育成を目指しています。
また卒業後のキャリアアップについても、専門看護師や大学院に戻って看護管理者の資格を取得できるなど、次世代を見据えた人材の育成にも力を注いでいます。
自律した医療組織人の育成を目指す「亥鼻IPE」とは
千葉大学の医療系3学部は、規模も歴史も同等でそれぞれ独立した専門教育を行ってきましたが、医療の高度化、細分化に伴う「患者不在の医療」となってしまった医療現場の状況を解消すべく2007年から「亥鼻IPE」というプログラムを立ち上げています。
亥鼻、とは医療系3学部のあるキャンパスの名前で、IPEとはInterprofessional education、専門職連携教育をあらわしています。
これは患者やサービス利用者のことを考え、第一にした医療を提供するには、それぞれの医療専門職がコミュニケーションを密にして、ともに尊重し合いながら高品質の医療を提供することを理想としています。
日々新しくなる医療技術の中で医療人同士連携することで弱いところを助け合い、またお互いを理解し助け合っていくことは患者の利益だけでなく、医療人の側にも人間的な信頼関係を築きチームとして互いに高め合って行くことで、自律した医療組織人として誇りをもった仕事を継続していくことができるのです。
同じキャンパス内だからこそできる継続的なプログラム
千葉大学の「亥鼻IPE」は4年間にわたる3学部共通で必修の継続的なプログラムです。医療現場での大前提となる「患者、サービス利用者中心」という理念のもと、お互いの能力が最大限に発揮できるように協力し合う方法をチーム一丸となって学びます。
このプログラムを通じて高い専門性を持ちながらも、互いに尊重し合える自律した医療人に成長していくことができますが、成功させる上でのいくつかのルールがあるのでご紹介します。
- チームの目標、情報を共有しそれぞれの専門分野での長所を生かす。
- 一人一人が専門職としてもプライドを持ち、積極的に発言、行動すること。
- お互いの発言をきちんと聞き、対立や葛藤を恐れずに話し合い、合意するまであきらめない。
それぞれの専門分野は確立されて違っていても、「患者、サービス利用者中心」という理念で互いに尊重し合い、助け合っていく。そんな医療人が増えることは、患者にとっても大変心強いものであり、医療人にとっても互いに対する尊敬と誇りを持って働ける環境は、日々命と向き合う上での孤独感を感じることなく職務に当たれる、素晴らしい取り組みです。
今後、このような取り組みが「学校どうしの垣根」をも超えて広がっていくことを期待します。
まとめ
偏差値と専門職の垣根を超えて千葉大学「亥鼻IPE」の魅力
千葉大学の歴史
医療分野での高い専門性を誇る医学部、薬学部、看護学部
自律した医療組織人の育成を目指す「亥鼻IPE」とは
同じキャンパス内だからこそできる継続的なプログラム