理系に比べ、 文系 の 就職 には、ネガティブなイメージがつきまといます。実際、資格、留学、NPO活動の参加体験などをエントリーシートに書いても、どこかで見たような文章になりがちです。
そんな不安を解決する「論理思考」について紹介します。
文系就職で、エントリーシートの評価を高める方法
論理とは
「論理」とは、一言で言えば「因果関係の説明」です。主張や結果について、その根拠や理由を、飛躍することなく、段階をふまえ、わかりやすく説明することが「論理的」ということです。
論理で説明するのは
例えば「この商品はとてもよい商品です」ではじまるプレゼンで必要な「説明」は、何でしょう。それは「よい」の説明です。
ところが「よい」は感性です。以心伝心という言葉を持つ日本文化では、日常生活で「感性」の根拠や理由の説明を求めること、求められることはあまりありません。しかし、ここに光をあて「よい」の根拠や理由を説明することが、文系就職に求められる「論理力」です。
論理思考を身につけるために
文系の世界には、思想や哲学があります。帰納法、演繹法、弁証法などは論理思考の基本です。実践性の高いものを求めるならば、ディベートの方法論やトゥールミン・ロジックがあります。
理系の世界ものぞいてください。進化論やゲーム理論、ひも理論などについて、それぞれの理論の「説明」に意識をフォーカスして読んでみてください。難解な内容を分解し、段階をふまえ、わかりやすく説明することの参考になると思います。
また、思ったこと、感じたことに、最低5回「なぜ」を繰り返してください。この映画を見て泣いてしまったのはなぜか、留学で自分の価値観が変わったのはなぜか、自問自答するのです。単純な作業ですが、これは自分の意識を掘り返し、論理力、質問力、語彙力を高める力を持っています。
論理は世界の共通語
現代はグローバル社会です。多様な価値観と向き合い、対応する能力が求められます。この能力の一つが「論理思考」です。
論理は「世界共通の思考の枠組み」です。言い換えれば「論理」は世界の「共通語」です。グローバル社会のコミュニケーションは、論理によって行われるのです。
論理のワナとは
気をつけて欲しいのは、経験や伝える相手がいなくても、「論理」は成立するという事実です。論理は独自の進化過程を持っており、現実と関係なく、論理だけで成立してしまうことがあります。ですから、論理として正しいことと、現実として正しいこととが、いつも一致するとは限りません。
理系では「論理(仮説)を立てる~実験で検証する~論理を修正する」の繰り返しで学問が成立します。これと同様に「経験値を高める~感性を磨く~感性を論理で言語化する」を繰り返して、論理と現実との一致を導きましょう。
この時、経験が意味を持ち、エントリーシートの言葉に説得力が宿るのです。
文系就職の魅力
文系の仕事で出会う人、価値観は非常に多様です。就職活動では、その多様さに戸惑うこともあります。しかし、感性や価値観の異なる人、多様なアイディアや発想を論理という共通語で翻訳し、通訳して結びつけることが文系の仕事の魅力です。
感性を言葉にする、異なる感性を結びつけて新しい世界に導く、これが論理の持つ力です。エントリーシートがうまく書けない。自己PRに説得力がない。面接で質問攻めにあって答えられない。そんな不安を解決するのが論理思考です。
感性に頼る傾向の強い文系タイプの人が評価を得るコツは、ここにあるのです。
まとめ
文系就職で、エントリーシートの評価を高める方法
論理思考
トゥールミン
就職活動
エントリーシート
なぜを5回繰り返す