人文・社会の 文系 大学院 博士・修士課程卒の 就職 率は各々20~40%、34~55%(2014年度)で、理学・工学の理系博士・修士課程(38~55%、70~88%)より就職率が低い現状にあります。
文系大学院生の就職率は低く、その理由に採用時の年齢が高いことや、院生としての主体性に乏しいなどがあるようです。
文系大学院生の就職状況は?
大学院
学士課程の成績優秀者を対象に、上級学位の付与機関が大学院です。UNESCO策定の国際標準教育分類では、レベル7、8分類です。
大学院には、修士・博士課程と専門職学位課程があり、修士号、博士号、専門職学位が与えられます。
また、論文博士制度もあります。通常、大学院には研究科を置きます。研究大学強化促進事業により、学部より大学院に重点を置いた研究大学があります。
北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学、慶應義塾大学、早稲田大学など19大学が該当しています。
学部を設置していない大学院大学や夜間・専門職大学院も設置されています。
博士課程には、博士前期・後期課程、後期3年博士課程、一貫性・4年生博士課程、専門職学位課程などがあります。
今回は、文系大学院生の就職状況についてお話します。
理学・工学の理系博士・修士課程の就職率は、2014年度でそれぞれ38~55%、70~88%です。この理系就職率は、人文・社会の文系博士・修士課程卒の就職率(20~40%、34~55%)に比べ高い状態にあります。
文系大学院生の就職率の低い理由に、採用時の年齢が高いこと、コミュニケーション力が低いこと、低い目的意識、専門性の場が少ないことなどがあるようです。
就職浪人の延長ではなく、院生として主体性があるか否かが問われます。就職先の選択をしっかり見極め、面接等では院生と学部生との違いを明確に発言する必要があります。
文系大学院生は博士・修士で文系学部生の約4%で、理系の約30%に比べ極めて低く、社会的に文系院生への理解が得られない状態にあります。
また、院生での研究の専門性は、企業現場ですぐには活用できない、などがあります。
文系大学院生の希望職種は教育・調査、官公庁、マスコミなどで、その就職先は教育・学習支援、学術研究・専門サービス、公務員などになっています。
国際標準教育分類
国際連合が行っている社会経済国際分類の1つに、UNESCOが策定している国際標準教育分類(ISCED)があります。
ISCED 2011版(レベル0~8)では、レベル7に修士(Master’s or equivalent level)、レベル8は博士(Doctoral or equivalent level)に分類されています。
2018年文系大学生の人気企業
文系大学院生の希望企業には、日立製作所、トヨタ自動車、パナソニック、サントリーグループ、資生堂、味の素、NTTデータ、花王、デンソー、三菱電機などが、また、学部生のランキングは、みずほフィナンシャルグループ、三菱東京UFJ銀行、全日本空輸、日本航空、三井住友銀行、東京海上日動火災保険、伊藤忠商事、JTBグループ、三菱商事、サントリーグループなどです。
総合ランキングは学部生のものと同様になります。
また、業種別ランキングはエネルギー関連企業が圧倒的に上位を占め、中部電力、関西電力、東北電力、東京電力ホールディングス、東京ガス、電源開発、東邦ガス、北海道電力、北陸電力、四国電力、JXグループ、国際石油開発帝石、中国電力、九州電力、大阪ガスなどになっています。
就活での大学院生と学部生
学部生に比べ大学院生は就活時間が限られています。高い専門性が就活に影響を与えるか否かを適性に判断することが求められます。
大学院生の場合、専門性から選択できる企業が限定されます。従って、如何に希望企業の選択範囲をひろげるかがポイントになります。
特に特定の文系職種で、理系大学院生の高い求人率になる場合があるといわれています。限られた就活時間から、選択した希望企業の絞り込みも大事になります。
この際、大学院生を採用する企業か否かを見極め、優先的に内定率の高い企業を選択します。
まとめ
文系大学院生の就職状況は?
大学院
国際標準教育分類
2018年文系大学生の人気企業
就活での大学院生と学部生